黙食について

昔の食事は黙食

昔の食卓では、食事中に孫が箸を止めて兄弟で話しているとおじいちゃんが、「口は食べるために動かせ!」と言って怒られたものです。

これは話しながら食べていれば、食べ物が変なところに入って咳き込んで、最悪窒息死することを昔の人は知っていたのです。

なぜなら食事中は口を閉じていないと噛んだ食べ物を飲み込めないからです。

試しに口を開いて唾液を飲み込んでみてください。(飲み込めません。)

だから昔の食事中は箸と茶碗がぶつかる「カチャカチャ」とみそ汁を啜る「ズズーッ」と言う音しかしなかったのです。

それに食べた物が口に中に入った状態で話せば、唾液や食べた物が口から飛んで汚いです。

つまり、元々話をする舌の動きと食べる舌の動きは全く別物で、同時にはできません。

インフルエンザの学級閉鎖の理由

インフルエンザのクラスターは小学生の給食の時に机を移動してマスク無しで対面で食べていたことが原因です。

インフルエンザウィルスの感染様式は、「飛沫感染(ひまつかんせん)」です。

飛沫感染は給食の時に話しながら食べていれば、当然唾液や食べた物が対面の人に飛びます。

もしインフルエンザウィルス感染者の飛沫を吸えば感染します。

但し、対面でなければ飛沫感染しません。

もし感染した児童が家に帰り、夕飯を兄弟で対面で話しながら食べた場合には兄弟にも飛沫感染します。

習い事やスポーツをやっていて食時間がバラバラの場合は飛沫感染の可能性が低くなります。

また看病したお母さんも対面でなければ感染しません。

新型コロナは『空気感染』なのでマスクをはずして食事すれば、対面でなくても感染し、家庭内クラスターになります。(新型コロナはウィルス対応の空気清浄機が必要で、換気ではダメです。)

学校給食の黙食緩和は絶対にやってはいけないこと

本来、舌は『話す』時と『食べる時』の舌の動きは全く異なります。

人間だけが喉の奥は気道と食道がクロスしていて、喉頭蓋(こうとうがい)と言う切り替えポイントが『呼吸』の時は上に挙がり、『嚥下(えんげ)』の時は下に下がって気道を塞ぎます。

これを0.5秒で切り替えているので、次から次へ食べた物が塊で食道に送り込まれます。

この喉頭蓋の動きは高齢になるにつれて遅くなり、喉頭蓋が気道を十分に塞いでいないと気道に食べ物の塊が誤って入ってしまい、誤嚥性肺炎になります。

つまり早食いが食事の本来の姿です。

逆に、話している時に食べ物を食べている人はいないでしょう?(話している舌の動きでは食べられないのです。)

それで黙食のおかげで給食の時間が短くなったと言われる所以です。

懐石料理は、「温かい物は冷めぬ内に、冷たいものは最も冷えている内に」という料理を最大限に楽しんでもらう為の配慮であり、早すぎず遅すぎず、料理を出すタイミングも見計らわなければいけません。

懐石料理でも出された料理をすぐ食べなければならないのに、話に夢中になっていると折角の暖かい料理や冷たい料理が台無しになります。

その点、給食は給食当番が一斉に配膳されますので、おしゃべりに夢中になっていれば折角の給食の叔母さんが作った料理が冷めて美味しくなくなります。

私が10年前にむし歯の検診に行っていた小学校も生徒さんたちは食べるのが遅く、40分ぐらいかかっていたので給食を残すのも仕方ないと思います。

学校では本来こういう教育をして欲しい。

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